【居場所】とは、人との関係性の中にあるのだ



ハンセン病についてのミニ講演会に参加し
映画『あん』を見ました。


ニュースやドキュメンタリー番組を通して
「ハンセン病」「らい」という名前は耳にしたことがあったけど
歴史的背景やハンセン病患者が置かれている現状について
知識がなかった。


東京都主催の無料イベントに当選した、という理由で出かけていったわけだが
気になっていた映画見に行く、くらいの軽い気持ちでいた。


映画の前に、国立ハンセン病資料館の学芸員の方が
30分の講演をしてくださった。




その話の中で、はじめて知ったことがたくさんあった。


・国策として、ハンセン病患者が隔離されたが、そこは社会復帰が目的ではなく、閉じ込めることが外界との関係を遮断することが目的だった。
・療養所とは名ばかり。逃げれば監禁された。
・入所した時に持っていたものは全て没収。お金は療養所内だけで使える「園内通用券」に換えさせられた。
・現在では有効な治療薬が開発され、早期発見、早期治療をほどこせば完治する。
・国が対策の誤りを認める判決がでるなど、近年ハンセン病回復者をめぐる状況は変わっているが、偏見は無くなっていない。
・すでに完治している人も、高齢化していることもあり生活と医療は療養所しかなく、回復者・家族・社会の結びつきの再生が大きな課題。





治療薬がなかった時代は、容姿が変形してしまったり、治っても重い後遺症が残ることから、当日は今以上に偏見が強かった。
関わりを絶たれることで、「知らなさ」に拍車がかかり
そのことがさらなる偏見をうみ、共生を阻むのだということがわかった。




ハンセン病とは
その歴史的背景とは
現状とこれからの課題



などを丁寧に解説していただいた。
講演を聞いて感じたことは
心にずしりと留まった。




その後に見た、河瀬直美 監督の映画「あん」は
生きずらさを抱える登場人物たちが
ささやかな交流を通して
命とは、人生とは、と自らに問う内容。


静かな時の流れの中で
生きる意味を模索するその姿を通して
私自身の”今”を考えずにはいられなかった。



(あの人に、まだ伝えていない言葉があるな。会いたいな。)
(本当の気持ちを誤魔化して、逃げていたな。恥ずかしい。)
(優しさってなんだろう。)


脳裏にいろんな言葉がよぎった。






いま、こうしてブログを書きながら振り返ると
【居場所】って、物理的な場所、という意味ではなく
人と人との関係性の中にあるのだろうな』

と思った。




この映画、たくさんの人に見てもらいたいなー。




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