相手を知ってから「わたし」を発揮する

今日は披露宴の司会のお仕事でした。
司会の仕事をする時
そこに「わたし」は居ません。

自分を空っぽにして
新郎新婦の想いやこだわりを
”近藤智子”の体と声を使って
お客様に届ける

見えないもの(気持ちやメッセージ)を形にして
差しだす装置。

そんな気持ちで司会をしています。



以前はこうではありませんでした。

「私が良いと思うウエディングはこう」という信念みたいなものがありましたし
「司会者として結果を出したい」と意気込んでいましたし
なんなら「ウエディング業界を変えたるぞ!」くらい思っていました。

これらは全て【お客様のためになるはず】
という強い想いから来ていました。

その当時、
いろんな知識を詰め込んで、
たくさん行動して、
良かれと思ったことは全て実行しました。

努力しているということでは誰にも負けないと思っていたし、
私がやっていることは間違っていない、正しい、と思っていました。
でも、やることなすこと裏目にでて
人間関係がギスギスしていき
仕事場を離れた瞬間から涙が止まらなくなるほど、
情緒が乱れるようになっていきました。
やってることは間違っていないはずなのに
どうしてこうもうまくいかないんだろう。
これから何をすればいいのか。
どういう方向で進めばいいのか。
分からなくなりました。

自分の考えだけでは、想いだけではどうにもならない。

足が止まってしまった時
私がしたことは単純なこと。

それは
「とにかくお客様の声を聞くこと」
でした。

結婚式に対してどんな不安があるか?
疑問に思うことはなにか?
叶えたい希望は?
想いを伝えたい相手は誰か?

ひたすらお客様の言葉に耳を傾けていくうちに

「私が良いと思うウエディングはこう」
「司会者として結果を出したい」
「ウエディング業界を変えたるぞ!」
こんな考えはどこかに消えてしまいました。

そしたら人間関係が円滑になりました。
お客様とも現場スタッフとも、楽しく付き合いながら
喜びいっぱいで結果をだすことができるようになりました。


そうか。
これまでは『自分の想い』を叶えようとしてたんだ。
目の前の新郎新婦の気持ちを汲み取り
それを私を通して叶えてあげられれば
それでいいんだ。


そう気づいてからは
司会者という仕事が
楽しくて仕方なくなりました。

お客様の「叶えたい」を実現する。

それだけを考えればいいんだと思ったら
とても心が軽くなりました。
そして、喜んでいるお客様の顔を見ることが
私の喜びになりました。

すると
「結果を出したい」「認められたい」と思って身につけてきた
知識やテクニックが自由自在に使えるようになりました。




今もし
あつい想いがあるのに、うまく伝わらないなと思っているのなら
「自分がお役に立てるお客さんは誰なのか?その人が何に困り、どういう結果を望んでいるのか?」
をじっくり想像するといいと思います。

いまあなたが持っている「これを伝えたい」「この商品を勧めたい」「このサービスはきっと役に立つ」という想いが強ければ強いほど、一度それを置いて、受け取ってほしい相手のことを考えてみる。

そして、とことん目の前のお客様の役に立つことを考えたら
伝え方が変わるはずです。
相手が受け取りやすい言い方を模索するはずです。
聞き入れてくれるタイミングで話ができるはずです。

自分を捨てる、信念を曲げる、我慢する、ということではなく
まずはお客様と向きあい
お客様のことがわかったらそこで「わたし」を発揮するのです。

相手が先。
次に「私ができること」。


この順番を意識することが、
シンプルだけど大事なことです。



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